古典に記述される眼病予防法 ○ 目と全身との関連について 紀元80年『黄帝内径(素問、霊枢)』
「五臓六腑の精気皆上がって目に注ぎ、骨(腎)の精は瞳孔、筋(肝)の精は黒眼、 霊枢 邪気臓腑病形篇
※全身病の予防法 ◎紀元80年頃『黄帝内径』 「五労」 久視傷血 物を注視しつづけると血液の働きが悪くなる。例えば、出産後は目を使 いすぎると目のかすみ、精神状態(血の道症)を引き起 す。 ◎髄『諸病源候論』 夜明けに両手をこすり合わせて温め、両目に三回その手をあてる。(夜間 は全身の血液は肝に帰り、脳や目も血流が少なくなっている。) ◎唐『千金要方』 辛い物の生食、熱すぎる物やめん類の過食、大酒、過度な性生活 などを さける。小黒豆、黒胡麻など黒い物を多く摂取すると腎に良く目にも良 い。 ◎宋『済生方』 節制、精神の安定を保ち、物を過度に注視しなければ、肝気が よく体 内を流れ、血行もよくなり、栄養物が目に良く行きわたり、眼病になり にくい。逆に不摂生、過度な気候の変化(風、寒 、暑、湿、燥、火=六 淫)、精神的ストレス(怒、喜、思、憂、悲 、恐、驚=七情)、暴飲暴食 、夜更かし、熱すぎる物を食べること、長時間の読書、憂い、悲しみす ぎて泣くことは、すべて目に悪い。 ◎現代中医学 目の病気にかかりにくい猿の目の動きをまねて目の動きをよくする。 眼球周囲の骨のマッサージ 足をあたためると目につながる肝、腎、脾の経絡のつぼがあたためられて目によい。夜盲の人は精神を安定させ、できるだけ光を目に入れないようにし、うす味で栄養に富む物を食べる。気功、太極拳などで気血を巡らせ、自立神経の調整、身体の強化をはかる。 ○ 目に良い食物 肝:ゴマ、ハスの実、マツの実、アブラ菜、菊の花、決明子(ハブ茶) 、黒くわい、トウモロコシ、牡蛎、ほうれん草、春菊、シジミ、牛 豚 のレバー、鶏のレバー、クコの実、酸っぱい果物(スモモ、イチゴ 、キ ンカン)、うなぎの肝・・・・・肝と目によい。 腎:あわ、そば、黒豆、くるみ、ニラ、モモ、牡蛎、ナマコ、豚の肉、 鶏のレバー、豚の腎臓、天然塩、クコの実、マツの実、スッポン、鹿 肉、豚の骨、卵黄、オットセイ ・・・・・加齢による全身疾患と目によい。
『漢方医学大辞典』(人民衛生出版社)
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